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晴れのち自転車時々猫

チェリー、スミレ、スパッツ、スージー、それに自転車とかカメラ類と戯れる日々を綴ります。



かけ間違えたボタンは

久しぶりに読書してます。最近これはというような面白い本に出くわすことがなかったのですがこの本は衝撃的でした。なんせ現代文明の基本となっているテクノロジーは最初から間違っているというのです。まさにちゃぶ台返し、とも言える現代テクノロジーに対するアンチテーゼと言える内容です。ちゃぶ台をひっくり返そうとした人はヴィクトル・シャウベルガー(1885-1958、オーストリア生まれ)。聞いたことのない名前で初耳でした。それもそのはずで当時の科学界(今の科学界でも)からは異端と見られてその存在を無視されてきたのでした。加えてナチスに協力させられて兵器開発を行ったことも無視される原因のようです。

題名は「自然は脈動する」(日本教文社刊)。原題は'Hidden Nature: The Starting Insights of Victor Schauberger'で恐らくシャウベルガーを初めて日本に紹介した本ではないかと思います。内容はアリック・バーソロミューという編集者によるシャウベルガーの入門書です。シャウベルガーをググるといろいろと怪しい話が出てきてそれだけを見るとこの人の業績を大幅に見誤ってしまいそうです。最近地球温暖化ということで環境問題が大きくクローズアップされていますが、シャウベルガーの業績が今注目されているのも彼がこの問題を指摘してなぜそうなるのかを明確に指摘しているからでしょう。シャウベルガーは現代文明がこのままのテクノロジーを推し進めていけば人類は自らを破壊することになると予言していたのでした。

テクノロジーについて「ほかにやりようがあるだろうか?」と尋ねられたシャウベルガーの答えは「今のやり方をそっくり反対にした方法がそうだ。」というものだったそうで、現代テクノロジーが非効率で世界に対して破壊的に働くことを問題にしています。彼は森林監視人として森の中で自然の営みを観察して独自の世界観や理論を得たそうです。そして河川工学をはじめとして水の営みを調べ、地球環境がどのように働いているのかを把握していったのでした。彼の独創的な土木工事は大きな成功を納めたのですが既存学会や専門家からは異端のレッテルを貼られて無視されてしまいます。また不幸なことに戦争が始まり、ナチスに協力せざるを得なくなります。

よくシャウベルガーの話で出てくる空飛ぶ円盤はヒムラーの命令のもと終戦末期に研究された内破エンジンで、初試験飛行では制御を失って格納庫の屋根を突き破って3分間で高度15,000mに達したそうです。しかし2回目のテストの前日に連合軍が工場のある街に到着したため、プロトタイプはドイツ軍によって全て破壊されてしまいました。ドイツ降伏によってやってきたソ連軍はシャウベルガーの研究資料を持ち去り、シャウベルガー自身は米軍によって拘置されてしまいます。しかし原子力の核兵器利用にしか興味を持っていない米軍にはシャウベルガーの理論が理解できず、9ヶ月後に開放されます。シャウベルガーの方法は核爆弾のような破壊的なやり方とは全く180度反対の方向を目指していたのですから役立たずと思われたのでしょう。

シャウベルガーの理論は自然の観察の結果から成り立っています。自然は効率的に働くし、静かで無駄な熱も出さず、破壊的なプロセスではなく創造的、発展的なプロセスとして働き、それは持続可能なプロセスです。彼の理論には独自の世界観が大きく関係してきますのでその辺りで大きな反発を招いたのであろうということは言えますが、彼の理論は傾聴に値すると思います。何しろシャウベルガーの言ったとおりの状況に人類は直面しているのですから。現代文明がボタンをかけ間違えてしまったのだとしたら・・・・方法はただ一つ、戻ってかけ直すしかありませんね。

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