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晴れのち自転車時々猫

チェリー、スミレ、スパッツ、スージー、それに自転車とかカメラ類と戯れる日々を綴ります。



Photograph without camera

先日ライカ純正以外のライカマウントレンズに興味があって平成13年に出た「カメラスタイル」という雑誌の第13号を古本で買ってみたのですが、その中にライイマウントのレンズ以上に興味深い写真が掲載されていました。それはMotioGraph(モショグラフと読みます)。これは竹前俊治氏が開発された撮影技法の名称です。竹前氏は花の撮影が好きだったのですが、ある時友人に自分のカメラ機材を貸し出してしまい自分で撮影することが出来なくなってしまいました。しかしカメラやレンズなんか無くても花の写真を撮ってやるとなかばヤケクソ、なかば冗談半分・遊び半分で考え出された技法だそうです。

レンズは無くてもピンホールがあれば撮影は出来ます。ではカメラが無い時はどうしたらよいでしょう?何か像を写す方法があるでしょうか?実はあります。ヒントは日光写真!(フォトグラム)。日光写真なんて今どきやる人はあまりいないと思いますが、要は印画紙に鉛筆などで紙に描いた原稿を重ねて日光にさらして感光させる方法です。子供の理科教育用といったものですが、実は紙に描いた原稿の替わりに直接なにか物を置いて感光させてもいいのです。そうすると置いた物の影が写ります。竹前氏のMotioGraphはこの考え方と似ています。

どうするのかというと、暗室でフィルムの上に直接花を載せてフィルムの上下からライトをあてて感光させるのです。ネガの密着焼きを作るのと似ていますが、ネガの代わりに花を使う訳です。実に簡単な方法ですが、そうやすやすと出来るものではなく竹前氏は何年にも渡る試行錯誤の結果、一定の方式を確立したようです。しかし花の種類によってかなり条件が異なってしまうことが想像されます。自分のイメージしたとおりの結果を得るのは非常に難しいはずです。このモショグラフで撮影(?)された花の写真はレンズで撮影されたものとは全然違った表現になっていて、写真というよりは絵画に近い感覚、それも洋画ではなくて日本画的な雰囲気を漂わせたようなちょっと不思議な味わいの「絵」になっています。初めて見たときはこの技法のことを知らなかったのでどうやって撮ったらこんな花を撮れるのだろうと不思議に思いました。花の反射光を撮影した普通の写真とは全く違ってダイレクトに花そのものを写し撮った作品は植物の美しさそのものをフィルムへ写しとったような感覚があります。竹前氏は自らの作品を写真絵とか水彩写真画と呼んでいますがまさにそのような絵です。

竹前氏はこの技法で撮影した花の写真集「MotioGraph」を出しましたが残念ながら絶版で手に入りませんので古書店などを探すしかありません。機会があったら是非入手したいと思っています。なお、このMotioGraphの技法自体は特許となっています。

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